春夏秋冬のビオトープ管理方法・コツを季節別に解説・まとめました

自然のままの姿を楽しむビオトープですが、日本のように四季ごとに目まぐるしく気候が変わる地域では、管理に気を付けなければなりません

「メダカなんかは野生でも暮らしているんだから、手をかけなくてもいいのでは?」と思われるかもしれませんが…。

自然の池や川とビオトープには、「水量」や「環境の多様性」に大きな違いがあります。やはりそこは人工的な環境である以上、管理にも人の手を加えなくてはなりません。

そこで今回は、季節ごとのビオトープの管理について、気を付けなければならないポイントなどをまとめていきたいと思います。


暑さに注意!夏のビオトープ

夏はお店でも水生植物や睡蓮鉢などがメインで売られますし、夏休みの生き物採集や金魚すくいなどで、ビオトープを始めようという人が多くなる季節。

まずここで躓かないために、気を付けるべきポイントを押さえておきましょう。

水温の上昇に注意

夏のビオトープにとって大敵なのは、水温の上昇です。

水温が上がりすぎると煮魚になる…というのは大袈裟ですが、動きが鈍くなったり食欲が落ちたりしてしまいます。

また、水温が上がると水中に溶け込む酸素の量が少なくなるという性質があり、酸欠で生き物たちが残念なことになる場合も…。

そうならないためには、以下のような対策が有効です。

  • 浮草や浮葉植物で水面に日陰を作る
  • 葦簀などを使って直射日光が当たらないようにする
  • 風通しの良い場所へ移動する
  • 水量を増やす(水量が多いほど、気温の影響を受けにくくなります。)
  • 深さのある容器や、断熱性のある容器(発泡スチロール等)を利用する

 

水面の日陰づくりには浮葉植物や浮草が最強!ただ、生き物たちの姿が見えにくくなるのが残念…。

 

植物の増えすぎに注意

浮草や沈水植物は、日光が当たるとグングン成長するものが多くあります。ある程度ならば日陰を作ったり、水中に酸素を供給する面でとても重宝するのですが…。

増殖した植物に水面が全て覆われると、日光が全く水中に届きません。いくら日陰があったほうが良いと言っても、これではいけませんね。

また、浮草の根や沈水植物が水中を覆いつくすと、生き物たちが上手く泳げなくなったり、夜間の植物の酸素消費で酸欠状態になることもあります。

自分で入れた植物以外にも、日当たりが良いと「アオミドロ」が大量発生することも…。

きちんと植物を管理して、バランスの良い量を保てるようにしましょう。

  • 植物に日光を当てすぎない
  • 増えすぎた植物は随時撤去する(アオミドロも)
  • 初めからほどほどの繁殖力の植物を選ぶ

いつの間にか繁殖しているアオミドロ。一体どこからやってくるのか…。

 

水の蒸発に注意

気温が高く水生植物たちが良く育つ夏は、驚くほど水が減ります

水量の減少は水温の上昇、水質の悪化、そして酸欠などを引き起こす原因となるので、こまめにチェックして水を足すようにしましょう。

ただし、急激に冷たい水を入れてはいけません。「暑いのがだめなら、冷せばいいのでは?」という問題ではないのです。

急激に水温が下がることもまた生き物たちにとっては悪影響ですので、足す水の量や温度もしっかりと確認しましょう。

ボウフラに注意

植物や生き物たちにとっては問題ありませんが、人間にとって大問題となるのがボウフラ

なんの対策もしていないと、ボウフラたちにとってビオトープは絶好の繁殖場になってしまいます…。

最近やけに蚊が多いなーと思ったら、ビオトープから大量発生してた!なんてこともあり得ます。
最も有効なのは、メダカや金魚などボウフラを食べる生き物を飼うこと。

 

エビやタニシはボウフラを食べないので、彼らだけで飼育している場合は危険です。

 

過ごしやすい季節!秋のビオトープ

基本的に秋は植物にとっても生き物にとっても過ごしやすい季節です。

ただし秋に入ってもいきなり暑い日があったり、かと思えば急激に温度が下がることもあるので、そういった場合は夏や冬の対策を参考に、対処してください。

その他、気を付けたほうが良いのは以下の点です。

枯れ葉の撤去

涼しくなり始めると、一部枯れてくる植物も出始めます。また、場所によっては落葉などが飛んでくることもあるでしょう。

あまり多くの枯れ葉が水中にあると、腐って水質の悪化を招きます。少量ならば問題ありませんが、多いようなら随時取り除きましょう。

これは枯れてフニャフニャになっているホテイソウの葉。

 

エビたちが頑張って食べてくれていますが、これからさらに枯れる量が増えるときっと追い付かずに腐ってしまうので、取り除かなければ…。

 

屋外でも平気?冬のビオトープ

寒い冬、屋外に設置しているビオトープは大丈夫なのか、不安になりますよね。気温が下がったら生き物たちが生きられるのかどうかが、心配の中心でしょう。

しかし、きちんと対策をしておけば大丈夫。無事に冬を越すことができますよ。

ビオトープの越冬については別ページで詳しくまとめますので、ここでは要点だけかいつまんで見ていきましょう。

ビオトープは越冬できる? 春を迎えるための管理方法・コツを解説します

 

餌を与えない

冬の間、生き物たちは極力動かず、冬眠のような状態で過ごします。

餌もほとんど食べないので、もし餌を与えると食べ残しが腐って水質悪化を招いてしまいます。

また、餌を食べたとしても、気温が下がると消化不良を起こして最悪の場合は命を落とすことも…。

温度を下げ過ぎない

表面に氷が張る程度ならば、凍っていない水底で生き物たちはしっかりと生きています。

しかし、水が全て凍るような事態になると、さすがに生きてはいられません。

防寒対策をし、水が凍ってしまわないようにしましょう。

急激に温めない

寒くなり動かなくなった生き物を見ると、焦って暖かい水槽の中などに入れたりしてしまいがち。

しかし、寒い場所から暖かい場所への急激な温度変化も、生き物にとっては大打撃です。

明らかに弱っている場合などでなければ、極力手を出さないようにしましょう。

暖かい場所で元気になったからと言って、再び寒い場所へ戻す…なんてのは、一番やってはいけません。

水の蒸発に注意

冬は乾燥する時期ですし、風が強いと思いのほか水がたくさん蒸発します。どうせ生き物や植物には変化がないからと放置せず、水が減ったら足してあげましょう。

植物ごとに適した越冬方法を

植物には、越冬できるものとできないものがあります。

それぞれ越冬できるのかをきちんと前もって確認しておき、本格的に寒くなる前にきちんと管理体制を整えてあげましょう。

 

無事に冬を越せたら…春のビオトープ

暑い夏や寒い冬…それを越えてやってきた春は、やっとひと段落したぞ!とばかりに油断してしまいがち。

じつは春こそ、生き物たちが突然お亡くなりになりやすい季節なのです…。

厳しい冬を乗り越えられたから、暖かくなってきたらもう大丈夫とばかりに気が緩んでしまいますが、春こそ気を引き締めなくてはなりません。

水質の悪化に注意

冬の間、あまり餌も食べず動きもしないとはいえ、糞もしますし水は汚れます。

水質が悪化している可能性があるので、水換えを行いましょう。

春になると容器から砂利から全て洗い、「リセット」をする人も多いようですが…これにも注意が必要。

冬の間に生き物たちの体力は落ちていますので、急激な水質・水温の変化は命取り。

時間をかけて丁寧に水合わせや温度合わせを行いましょう。

餌の与え方

暖かくなって生き物たちの動きが活発になると、ついつい餌を与えてたくなりますよね。

しかし、日中は暖かくても朝晩は冷え込むような日もあるでしょう。

その場合、餌をやると寒さで消化不良を起こしてしまうことも。

餌はごく少量ずつ、なるべく暖かい時間帯に与え、夕方などのタイミングは避けましょう。

 

ビオトープ管理についてのまとめ

「ビオトープは放置していても大丈夫!」「まったく手がかかりません!」などという謳い文句を真に受けて本当に放置してはいけません。

水槽での飼育のように定期的に掃除をしたり、機械で温度や水質を管理したりという手間はありませんが、ビオトープはビオトープならではの手のかけ方があります

きちんと管理して、2年3年…と植物や生き物たちを育てていけたらいいですね。