ヒバカリってどんなヘビ?その特徴や魅力について解説するよ

みなさんは「ヒバカリ」というヘビをご存知ですか?日本に生息しているのですが、メジャーな野生種アオダイショウなんかと比べると知名度はいまいちなヘビです。

爬虫類好きな人や田舎に住んでいる人はともかく、一般的には知らないという人も多いのではないでしょうか。しかしこのヒバカリ、他のヘビにはない魅力がたくさんあるんです!

そんなヒバカリに少しでも興味を持ってもらうために、まずはどんなヘビなのか、生態や特徴などをまとめてみました。


なぜヒバカリはあまり知られていないのか

ヒバカリのがいるのは、朝鮮半島、中国、ロシア南東部、日本。日本では北海道から九州にかけて広く生息しています。

知名度が低いので珍しいヘビなのかと思いきや、かなり広い範囲に生息していることがわかりますね。分布域の広さの割に、ヒバカリがあまり知られていないのはなぜなのでしょうか

その理由を、国内で最も知名度のある野生種、アオダイショウと比較して見てみましょう。

 

人目につきにくい生息域

分布している範囲自体はアオダイショウもヒバカリもあまり変わりません。しかし、アオダイショウは餌となるネズミを狙って人家の近くにも出没します。

樹上・地表・地中・時には下水道の中など、様々な場所に適応しているので、「渋谷のど真ん中でアオダイショウを見つけた」なんて話もあるほど。それに対してヒバカリは、餌となる魚やミミズの豊富な自然豊かな水辺を好みます

そのため、都会化した地域ではほとんど姿を見かけませんし、人目のある場所に出没することもありません。

 

ものすごく小さい!大きさの違い

アオダイショウの大きさは成体で1m~2m。胴の太さも直径2~3㎝あるので、ヘビを見慣れていない人にはギョッとする大きさです。もちろん、視界の隅にでも入ればすぐに「あ、ヘビがいる!」と言うことに気付ける大きさですね。

一方、ヒバカリの大きさは成体でも40㎝~60㎝ほど。胴の太さも直径1㎝ちょっとです。そのためなかなか姿を見つけにくく、視界の隅に入ったとしても、すぐにはヘビだと認識できない人も多いでしょう。

これは生後1年未満の子供。大きさは20㎝程しかありません。

 

夜行性?昼行性?

なんとなくヘビは夜行性というイメージが強いですが、ヘビ全体で見れば昼行性の種の方が多く、アオダイショウも昼行性。人間とは行動時間帯がかぶっているので、目にする機会も必然的に多くなるのですね。

しかしヒバカリは「薄明薄暮性」と言う、「明け方と薄暮れの時間帯に活発になる」ヘビです。雨の日や薄暗い日以外は昼間に活動しないので、目にする機会も少ないのです。

 

ヒバカリに毒はあるのか

ヘビと接する上で最も気になるポイントは、「毒があるのかないのか」ということですよね。毒ヘビだとうかつに近寄れませんし、飼育するなんてとんでもない!という話になってしまいます。

じつはこの「ヒバカリ」という名前、由来は「噛まれたら”その日ばかり”の命」と言うところからきているのです…。と言うことは、超危険な猛毒を持っているのか!と思ってしまいますよね。

しかしご安心を。かつては猛毒ヘビだと思われていたのですが、実際は全くの無毒で、噛まれても死ぬことはありません。そもそも非常に大人しいヘビなので、噛みついてくること自体が稀なのです。

それではなぜ、そんな恐ろしい毒ヘビのような名前がついてしまったのか…。その理由については様々な考察があり、「他の毒ヘビと間違えた」「ヒバカリに噛まれた人が、たまたま別の原因で亡くなった」「子供に対する方便」などなど。

いずれにせよ、もしも毒があると思われたまま、勘違いで駆除されたりしたら可哀そうですね…。ヒバカリに毒はない!という事実を、もっと多くの人に知ってもらえたらと思います。

国内に生息する毒ヘビである「マムシ」「ヤマガカシ」「ハブ」とは身体的な特徴も全く違いますし、きちんと知識を付けて見分けられるようになると安心できますよ。

 

ヒバカリの外見的特徴

よほどヘビに詳しい人でない限り、一目でヘビの種類を見分けるというのは難しいですよね。ここからはヒバカリの外見的特徴をまとめていきますので、ヘビと遭遇した時の参考にしてみてください。

 

体の大きさ

成体の全長は40cm~60㎝。幼体では15㎝ほどと、とても小さいサイズです。60㎝と言われるとそんなに小さくないような気もしますが、太さもないので数字で見るよりは小さく感じますよ。明らかに1m近くある、または太いという場合は、違うヘビでしょう。

 

頭の形

ヒバカリはナミヘビ科ですので、ナミヘビ科特有の小顔で目がクリっとした可愛らしい顔つきをしています。とにかく顔が可愛いので、爬虫類が苦手でない人ならば絶対にキュンと来るはず!

 

クサリヘビ科であるマムシやハブなどは、顔が大きく鋭い目つきをしていますよね。頭の形や顔つきを観察することで、区別をつけることができます。

 

体色

腹面は薄いクリーム色、背面は暗褐色から茶褐色で、腹面と背面の境には黒く小さな斑点が並びます。個体差はありますが、幼体の方が黒っぽく、成長するにつれて茶色味が強くなっていきますよ。

見間違える危険性が高いのは、同じナミヘビ科で60㎝~120㎝と言う大きさの「ヤマガカシ」。基本的にヤマガカシには柄や色があるので見間違えることはありませんが、稀に「黒色化個体」と呼ばれる黒い色をした個体がいます。

他にも黒や茶色っぽいヘビはいますが、ヒバカリ独特の特徴と言えば、頸部にある白い襟のような模様。これは幼体だろうと成体だろうと変わらずある特徴なので、ヒバカリかどうかを見極める最も分かりやすいポイントです。

 

ヘビと言えば「シャーッ!」と威嚇した時に見える鋭い牙が印象的ですが、ヒバカリの牙はとても小さく口の奥の方にあるので、ほぼ見えません。そしてもし噛みつかれたとしても、さほど痛くありません。

ヒバカリは威嚇も滅多にしないヘビですが、もしも威嚇された場合は牙が見えるかどうか確認してみてください。

 

ヒバカリの生態的特徴

見た目だけではなく、ヒバカリは生態的にも他のヘビとは違った特徴を多く持っています。

 

泳ぎが上手い

水辺で暮らすヘビなので、泳ぎがとても上手です。ヘビだと知っていなければ、ドジョウか何かだと勘違いしてしまいそうなほどスルスルと泳ぎます。魚やオタマジャクシを捕まえる際には、長い間潜水して獲物を追い回したりすることも。

 

大食いである

飼育下のヘビでは、餌を食べるのが週に一度…なんて種類もいますよね。しかしヒバカリは餌切れに弱く、体の大きさの割にたくさんの餌を必要とします。

主に餌となるのは、ミミズ、小魚、オタマジャクシ、カエルなどで、一般的にヘビの好物とされるネズミや鳥などは食べません。飼育する場合、この餌の調達が一番のネックとなる人が多いようです。

 

穏やかな性格

ヒバカリは非常に穏やかな性格をしたヘビです。捕まえたりしようとすれば暴れて逃げ出そうとはしますが、激しく威嚇をしたり噛みついたりすることはほとんどありません。ただ、「とても臆病」だという一面も。

人の気配を感じるとすぐに警戒態勢に入り、野外では一目散に逃げていくので、捕まえるためには相当な瞬発力が必要です。体が小さい分、素早さも他のヘビより勝っている気がします。

 

ヒバカリの魅力・特徴についてのまとめ

いかがでしたか?ヒバカリの魅力や特徴を、十分に分かってもらえたでしょうか。もしヒバカリの魅力に気付いてもらえなくても、国内に生息しているヘビの情報は知っておいて損はありません。

野生のヘビと遭遇した場合に、役立ててくださいね。そして、ヒバカリの魅力に気付いた方は…次は飼育や採集にレッツトライです!